初雪

京橋の試写室で『人の砂漠』を観る。藝大製作のオムニバス映画。冒頭二本のひどさに辟易してしまい途中退席しようと思ったが我慢。三本目、「おばあさんが死んだ」が始まってすぐに帰らなくてよかったと安堵。これはよかった。世間から自分を遠ざけてしまう人間は、こういう人なんだな、という迫力が出ていた。「困った人にもわけがあるんだよ」などと安易に理解しようとしていないのがいい。わからないものがこの世にあるんだ、という態度だろうか。四本目、「棄てられた女たちのユートピア」は、三本目に比べると落ちるが、最初の二本に比べたらずっとまし。よかった。安易な共感に流れそうなところがあって、それはどうなんだろうと思ったが、小池栄子が身体を売りに行く場面の湿った感触はよかった。たぶん、あの窓がいいんだろうな。無論、小池栄子のよさはばつぐん。
中央線で吉祥寺へ向かう途中で雨が雪に変わる。本を数冊買って、帰宅。
カレー鍋を作ってみた。