仕事とか映画とか(飲みはなし)

井之頭の水族館で仕事。クーラーきいてて快適。カイツブリの子どもたちが成長している。
夜、バルト9で『呪怨 白い老女』『呪怨 黒い少女』の二本立て。
『老女』のほうはオリジナルビデオ版に近い感触。幽霊もいやなんだけど、出てくる人間の壊れ具合がいやだ。暴力とセックスが密接に結びついている感触。全編ドメスティックな暴力に満ちている。そりゃ、呪いやら怨念やらがこもるよね、という感じ。つまり怪談の形で人は口に出せない身近な人間たちの暴力を語る、ということなんじゃないかな。
『少女』のほうは『呪怨』の形を借りて、別のことを堂々とやっていて、後半は痛快な劇画的世界を描いている。「あなたはこの手で女を殺す」という予言めいたセリフや、中村ゆりのフィクション度の強い演技は素晴らしい(とはいえ、中村ゆり加護亜依に対面して、なにか不穏な気配を感じるときの芝居には爆笑してしまった。一方がナチュラルめいた素の表情をしているのに、中村ゆりがどうかと思うほど目に力を入れて睨みつけているので、中村ゆりが狂人に見えてしまう)。奇形嚢腫ネタとか予言とかお祓い(とその失敗)とか、どこか70年代の心霊漫画のイメージがある。『うしろの百太郎』とか『恐怖新聞』とかね。なんとなく、中村ゆり主演・安里麻里監督で『おろち』を観たいような気がしてしまったよ。