ロケハンは楽しい

●4月24日(土)
家人と吉祥寺で買い物。『アリス・イン・ワンダーランド』をバウスで観る。3D映画は劇場の負担も大きいね。映画は、赤の女王が可哀そうでやりきれなかった。

●4月25日(日)
体調悪し。荻窪でリハーサル。思ったように芝居がはじけない。どうアプローチすればいいのか見えず、延々と心理の説明をしてしまい、泥沼に……。

●4月26日(月)
午前中、CGのお願いをしにいく。あまりの低予算に笑っていたが、引き受けてもらえた。ありがとう、Tさん。午後、不動産屋へ行き、物件を見せてもらう。けっこういい物件。そこに決めた。夜、渋谷クアトロで渚ようこのリサイタル。デリシャスウィートスの踊りも可愛かったし、ゲストの野宮真貴とのデュオも素晴らしかった。昂揚した気分のまま飲みに行った。

●4月27日(火)
午前中、福祉事務所へ。手続き上のこと、再確認。この4月は福祉事務所としても「異常事態だ」と言うほど、生活保護申請が殺到しているらしい。そして、父のアパートが見つかったことに、単純に驚いていた。やはり大家が嫌がるケースが多いらしい。「フルサワさんのところは、こうして身内が動いてますからね」と言われたので、聞いてみたら、世の中けっこう「絶縁したから」と親を突き放すケースがあるらしい。で、そうなると大家としても万が一のことを考えて貸し渋る……ということらしい。昼過ぎ、渋谷でPとカメラマンと三人で打ち合わせ。夕方、またCG打ち合わせ。父の引っ越しのために25万円を用立てる。痛い。夜、大久保EARTHDOMでSleepingBeautyのライブ。テンションあがる。

●4月28日(水)
衣裳合わせとリハーサル@東高円寺。撮影前の最後のリハーサル。じっと目をつぶって声だけを聞く。不意にいいリズムが生まれて、思わず立ち上がって芝居を見始める。ようやくなにかつかんだ。やればできるじゃん!とはしゃぐ俺。夜、高校時代の後輩と大久保で飲む。20年近いつきあいだ。お互いのあまりの変わらなさに苦笑。悩みの中身は高校生と同じ。

●4月29日(木)
都内ロケハン。夜、新宿で助監督の先輩たちと飲む。少しばかり喧嘩になる。

●4月30日(金)
三浦海岸へロケハン。午前中、一人で大森海岸へ行ったのだが、JR大森駅から歩き始めて失敗した。本来のロケハンコースにはなかったので、下調べをしてなかった。城南島海浜公園まで徒歩で行き、絶望的な気持ちになった。バカな小学生のような行動だ。Pとカメラマンも呆れていた。三浦海岸、夕方になってちょっといいところを見つけた。直前まで、「やっぱり千葉方面のほうがよかったかなぁ」と泣き言を言っていたが、粘った甲斐があった。帰りに美学校に寄り、少し飲む。

●5月1日(土)
ついに5月か……。家で台本作業。夕方から美学校へ行き、初等科生の「模擬現場」見学。呆れる。映画の作り方がわかってないのではなくて、共同作業自体を理解していない。

●5月2日(日)
台本作業。昼過ぎ、急遽南阿佐ヶ谷へロケハン。先日飲んだ後輩の親戚の家が空き家になっているので、そこを紹介してもらった。いいところ。家具などはそのままになっていて、そういうのは飾ろうと思ってできるものじゃない。

●5月3日(月)
台本作業。なんとかまとめる。かなり強引だが。夕方、それをPに渡し、予算とスケジュールの打ち合わせ。その後、スタッフと合流して飲み会。そういえば、ひさしぶりに凄みのあるマンガを読んだ。『必要とされなかった話』。マンガにしかできない表現と思考がある、と感じた。小説、演劇、映画にできない劇の作り方。それをうまく言えればいいんだけど、いまはその余裕も力もない。