期待しすぎだったのか

吉祥寺まで歩き、東急前のドトールでコーヒーを飲みながら『ユングサウンドトラック』読了。スピード感と、事実と妄想をつなぎ合わせるセンスがいい。映画の批評なり感想なりは、個人的な見立ての面白さによって読み物としてのレベルがわかるものだけど、大抵の「見立て」にはつまらない自意識が混じってうんざりしてしまう。が、この本の見立てにはほとんど自意識を感じない。実際にはしょっちゅう著者の個人的な来歴や現在の状況などが繰り返されるのに、不思議だ。さっと読み飛ばすのがふさわしい本。そして、読んだことを忘れて映画を観たくなる。
新宿に出て、ユニオンでCDを何枚か。ペンペンズ、巨人ゆえにデカイ、ヘアスタ、その他。
家でロブ・ゾンビの『ハロウィン2』をBDで。ディレクターズカットということなので、今後日本で公開される(のかな?)バージョンとは違うんだろうけど、細かい違いはどうであれ、作品全体としてはあまり好みではなかった。もちろん残虐シーンはたくさんあるし、結構冒頭のほうでマスク越しにマイケルの瞳がきちんと見えるカットとか、いいところもあった。『デビルズ・リジェクト』での殺人鬼一家へシンパシーを感じさせるような演出はよかったと思うんだけど、だからといって彼らが理解できる存在であるはずもなく、そういうものたちが存在するんだ、というゴツゴツした手触りが消えてしまっている感じがした。セリフの大半を理解していない、ということもあるんだろうけど。