あっというまに一日は終わる

イデア出しで吉祥寺をうろうろ。
戸梶圭太『センチュリー・オブ・ザ・ダムド』。後半、いつもどおりの(というほど熱心な読者じゃないけど)安い人間同士の殺戮大会。頭の悪いレッドネックの兄弟がテロリスト崩れのアラブ系の男にいちいち「サー」と言うところは、必ず笑わされてしまう。どうでもいい発言のあとに「サー」をつけるとますます頭が悪く見える。
俺は好きな描写があるとそのページを何度も読んでしまうくせがある。たぶん最初は江戸川乱歩『蜘蛛男』の、風呂場で女の死体を解体する場面だ。小学生のとき、あそこで勃起した。『センチュリー』にも、お気に入りの場面があった。ニーナというビッチがデヴィッドといういけてない大学教授と恋に落ちてホテルに押し掛けてくるところ。あそこ最高。

「たあっ!」
ドアを開けたら、いきなりニーナが飛びかかってきた。
体当たりを食らってカーペットにぶっ倒れた。その上にのしかかられ、首にかじりつかれた。手加減なしだ。
「あああっ! 痛いっ! 待って、ドアがちゃんと閉まってないよ」
「知るかっ! 口を開けな」
ぎらぎらした目でニーナが言い、デヴィッドの顎に手をかけてこじ開けさせた。
「閉めないと覗かれ……」
ニーナの唾液がぼとりと落ち、下から咽喉の奥へと伝った。
延髄に焼けるような熱を感じた。
「見たい奴は覗かせてやればいいんだよ」
舌にかみつかれた。そして激しく吸われる。
脳みそまで吸い込まれそうだ。

こういう場面、撮ってみたいな。

とある先輩監督からメール。嬉しい。
阿佐ヶ谷をうろうろしてたら、脚本家のTさんから着信。飲むことにする。