回復

カコナール飲んで、昨日一日寝ていたおかげで、だいぶ楽になった。
美学校で『行旅死亡人』の試写。井土さん本人にも伝えたけど、決して完璧な映画ではなく、瑕疵も多い。しかし妄想が膨らむ。井土さんの映画のすごいところってそこ。観客である自分と無関係に存在する「作品」ではなくて、巻き込まれてしまう。思えば『ラザロ』のときもそうだった。いまでも僕のPCのフォルダには勝手に妄想した『ラザロ』の続編のシノプシスが入っている。井土さんの映画には、そんなふうにこっちを闇雲に妄想に駆り立ててしまうところがある。それにしても……長宗我部陽子さんのあの涙……あそこは震える。あと、あれだ。井土さん、わかってらっしゃる!と思ったのは、ロマンチックな物語を描きながら、それでも犯罪者のマヌケさをきちんと捉えているところ。犯罪の場面が回想で語られるシーン、試写室の片隅で失笑が漏れていた。だがあれは確信的な描写だ。凄惨な事件に顔をしかめてやりすごしたい人たちには耐えられないかもしれないけど、実のところ犯罪者たちのとっさの行動はマヌケだ。だからゾッとしてしまう。その光景すべてが不謹慎だ。
その後、初等科の授業。ほぼ2時間喋り続けたらやっぱり疲れた。終了後、クラスの子たちとせんねんそばに行ってビール飲む。