体調が悪い

原稿で悩む。自分にとって面白いことが他人にも面白いのか、と悩み続けて原稿が進まない。
東映ラボ・テックで鎮西尚一監督の『熟女 淫らに乱れて』(原題『スリップ』)の初号試写。初老の女性が鼻歌を歌う場面、劇版としてアコーディオンの音が響くんだけど、一瞬混乱した。隣の部屋から聞こえてきているのではないか、と。怖かった。それからラスト近く、三人の女性が一つの部屋にいるのをとらえた画面で動揺してしまった。なぜだろう。終わってから監督にそれを伝えると、「あそこは難しかった。何度もテストした」という答え。う〜ん、なぜあのショットが感動的なんだろう。起こり得ないようなことが起きてしまったように感じたんだよな。出会うはずのない人々が出会ってしまう、人生にはそういうことってあるよね……と、あっさりと奇跡を肯定する感じ。あとからその女性たちがいずれも車輪を使いこなす人たちだ、と思いついたけど(自動車、バイク、歩行器……というか買い物カートか?)、理屈としてまとまってない。ホテトルとのセックスの場面もよかったな。あれで興奮した、と告白したら変態呼ばわりされると思うけど、いやあ興奮した……。俺は女の人が立って尻を突き出しているとグッときてしまうらしい。その昔、『勝手に逃げろ/人生』でも勃起してたからなぁ。
試写後、井川さんに呼びとめられて、ほんの少しだけどスタニスラフスキーの話題。ずっと言い続けてよかった。やっぱり美学校で読書会とかすべきではないだろうか。
打ち上げには参加せずに、帰宅してまた原稿に取り組み……朝6時になってしまった。
今日は久しぶりに料理をサボってしまった。そしてこの二三日体調が悪い。ぐったりしている。