象になる
『ひとりかくれんぼ』のトーク、監督4人が演出について話しても一般のお客さんは興味ないよな、と反省。今日は黒沢さんと二人きりじゃなかったから緊張せずにすんだ。
ところでiPodから聞こえてくる音楽。
歌詞が耳にスッと入ってくる曲がある。それは人にとりつく。たとえば今日は、湯浅湾の「おまえのカタチをなくしたい」という曲。
お前の名前を忘れたい
おまえに貸したレコード全部叩き割りたい
象よりも重いブルドーザーになりたい
そしておまえの家を岩山にしてしまいたい
という歌詞が耳の穴からスッと入ってくる。すると当然耳の奥からは別の曲が応答する。ようこそライヴハウス耳だ(と書きつけた途端いま書きたいことと関係なく、人生*1のことを連想して、ついでに坂口安吾をことを考えてしまう)。
貧困の翼を靡かせて歩く象の群の声
象の上に乗って君らをみんな踏み潰してあげたい
と歌ったのはもちろんあぶらだこだ。僕はこの歌詞が大好きで、『ロスト☆マイウェイ』の中で主人公たちにこの曲をカバーさせた(そして主人公たちを慕う中学生がソロで歌うのは野坂昭如の「マリリン・モンロー・ノー・リターン」。中学生が知るはずもないが、きっと主人公のおっさんたちに教えてもらうかしたんだろう)。
もしも僕がいま高校生で、湯浅湾のCDを間違えて手に入れてしまったら、その後何度も「おまえのカタチをなくしたい」という曲のことを考えてしまうだろう。
そしてもう一曲、ふと思い出してしまう曲があった。森若香織の「LOVE SONG」。この曲、『LOVE or DIE』に収録されて、後にアレンジを変えて『LOVE SONG for HEAVEN』にも収められている。森若香織にとっても重要な曲、ということなんだろうか。
生まれ変わったら
また逢おうなんて言わないで
だって私
きみを思い出せないと思うわ
きみもきっと覚えてない
だからもう忘れなさい
だからもう忘れなさい
こんなに愛してるから
だからもう忘れなさい
どれも愛についての歌だ。と思う。