ドキュメンタリーはSFだった

スチュアート・ゴードン監督『STUCK』再見。やっぱり面白い。数日前に栃木でまったく同じようなひき逃げ事件が発生してびっくりした。ゴードン久々の快作。
新宿に出て、『アメリカン・ウェイ』『伊藤高志映画作品集』とサントラCDを何枚か。『北国の帝王』とかね。
夕飯、湯豆腐を食ってから、吉祥寺へ。松江君の『ライブテープ』を観に行く。どこかで高橋源一郎が「いい本を読むと、思考が活性化されて何度も読書を中断してしまう」と書いていたと思うんだけど、『ライブテープ』はそんな映画だった。映っている吉祥寺の街と人々が、もうすでに廃墟と幽霊になってしまったかのように見えてしまった。それはついさっきまでそこに映っている街を歩いてきたからなんだけど、同じなのに違う、という感覚が脳を刺激する。前野さんの「100年後」という歌が引き金になったのかもしれない。とにかくこれは、毎年吉祥寺で正月にかけるべきだ。しかし、終盤まで来て、全編に漂う死の雰囲気の正体がわかった気がする。単なる吉祥寺の正月の風景を撮っているだけなのに、まるで『A.I.』のロボット破壊ショーの場面、あるいはラストの荒涼とした地球の場面、そんな風に映っていた。すごい。人生は(街も人類も)はかない。
帰宅して、原稿の直し。そして送信。