号泣

ジョナで仕事。とりあえず下書き終了。明日、一日パソコンに向かえば初稿があがるだろう。
夕方、吉祥寺へ。バウスで『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』を観る。今日はナイスガイデーなので1000円。予告編を観たときから予想していたことだが、中盤以降ずっとすすり泣いていた。場内は男ばかりだったけど、あちこちで洟をすする音がしていた。『レスラー』もそうだったけど、個人的な思い出をいろいろ喚起されてしまったのも、涙の理由。レコーディンングの費用を稼ぐために、ヴォーカルのリップスは慣れないテレアポのバイトをする。が、すぐに辞めてしまう。普段は給食センター(?)の仕事で生活をしている。そして結局姉にレコーディング費用を借りることになる。ウチの父も、仕事のないときには喫茶店でバイトをしていたし、いろんな人に金を借りていたな。初めてピットインに出演が決まったときには、電車賃がないから西荻から新宿まで歩いて行ったと言っていた。アンヴィルのことを他のミュージシャンは評価するし、一緒にツアーをした連中はセールス面でも成功をおさめていく。でもアンヴィルはなぜかその幸運を享受しなかった。父の近くにも、坂本龍一つのだ☆ひろとかいろんな人がいて、彼らはどんどん売れていって、一方父は世間的なセールスには恵まれなかった。一瞬、リー・オスカーとレコードを出した頃は、売れたのかな。
父だけじゃなく、周囲にはたくさん売れないミュージシャンがいるけど、リップスのように本当にキュートでチャーミングな人たちばかりなんだよな。リップスとロブの友情を見ていたら、父と川端民生さんのことを思い出した。川端さんが亡くなったとき、父は本当に落ち込んでいた。「あいつはF(ウチの母)よりも長いつきあいだったんだ」って。
泣きはらした顔で夕方の吉祥寺を歩くのはひどく恥ずかしかった。
それにしても、今日は寒かった。帰り、夕飯代わりにえんづで熱燗と湯豆腐を食った。