久々

映画館で映画観るの、すごい久しぶりだ。吉祥寺バウスシアターで『リミッツ・オブ・コントロール』。勝手に「これはヒッチコックだ」と思い込んで観ていた。たぶんその根拠は、タイトルだ。タイトルを聞いてパッと思い出したのは、ゴダールの『映画史』、「宇宙のコントロール」だ。だから(たぶん偶然なんだろうけど)風力発電の風車が映っているカットで、「ほら、やっぱりヒッチコックだよね」と思ってしまったのだった。まあそれはそれとして、映画自体はとても感動的だった。依頼された仕事を淡々とこなす殺し屋。彼はひたすら受け身で、任務をこなす。その依頼内容は、「自分が偉大だと思っている男を殺せ」というもの。受け身であること、それは偉大さ(と思っていること≒尊大さ?)と対極にある。そうか、これは謙虚さについての映画なのではないか、などと思って、その道徳映画ぶりに感動してしまったのだった。宇宙には中心はない、というのはそういうことじゃないかな。