傘がない

昼飯を食おうと思って駅前に行ったところで、雨に降られてしまった。待っていたけれど雨脚が強くなるばかり。仕方なくコンビニで傘を買おうと思ったら、青年に声をかけられた。「傘なら、ありますよ」。なんだろうと思って聞いてみると、使い古しのビニール傘を100円で売っている、とのこと。何本も持っている傘の中の一本を、ありがたく購入させてもらった。路上で雑誌を売る商売を初めて見たときのような「不況感」を感じたが、しかしこれはあまり効率のよくない商売だよな。出がけには晴れていたけれど急な雨で困ってしまった、という人に出くわさないといけないんだから。
夜、美学校。今日は初等科。編集講評。
電車の中で、よしもとばななの「おかあさーん!」を読み終える。暴力が直接人を傷つけるだけでなく、暴力を感染させてしまう。まったく偶然なのだが、ゼミ生の一人が書いている企画に通じるネタでもあった。虐待についての記憶(の喚起、ねつ造、喪失……)。